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Vol.20 英語でトリビア
北極星は襲名制?世代交代する道しるべ

Have you ever thought that the pole star, which we call as the symbol of the North, used to be a very ordinary star thousands of years ago?


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私たちが今日、北のシンボルとしている北極星は、数千年前はごく普通の星だったことをご存知だろうか?

<解説>
古くは紀元前11,500年頃から、北の指標として多くの旅人を導いてきた北極星。
文字通り天の北極に位置し、地球の回転により位置が変化する星々の中で最も動きのないことで知られる。

この北極星はこぐま座のα星で、16世紀頃から北の案内役として活躍しているが、それ以前は特に役割を持たない星だった。
これは天体の歳差運動により、地球の自転軸がコマの首振り運動のように円を描いて回転することから、その時々で地軸が指す天の北極に最も近い星を北極星として選び直すため。
こぐま座のα星が北極星を襲名するまでは、うしかい座のアルクトゥルスがその役を担っていた。

約26,000年の周期でゆっくりと回転し、その時北極に一番近くて明るい星から星へとバトンを渡していく。
歴代の北極星には、ベガ(こと座α星。紀元前11,500年頃)、トゥバン(りゅう座α星。紀元前2,800年頃)、コカブ(こぐま座β星。紀元前1,100年頃)があり、現役のこぐま座α星は16世紀頃からポラリス(北極星の意)を務め、北極に一番接近するのは2,100年頃という。
天の北極に近い星は他にもあるが、地球から肉眼で見える明るさでなければ道しるべにはならず、選ばれし星のみがその名を継ぐことができる。

こぐま座は2代に渡りノーススターを生み出したが、次世代からはケフェウス座に後を任せる。
ケフェウス座はエライ(γ星)、アルフィルク(β星)、アルデラミン(α星)の3代に渡って栄華を受け継ぐことになる。
一周してかつて活躍したベガに再度役目が回ってくるのは遥か遠い13,700年頃という。

気が遠くなるほど壮大な周期だが、ほぼ正確に活動を続ける天体世界を見ていると、星の定めという言葉も信ぴょう性を帯びてくる。
私たちの運命も北極星のように輝き、導き照らすためにあると信じて生きたいものだ。



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